《グンマを話そう》
○おんちょろちょろ
ある昔、正直じいさんが一人で暮らし、寂しいので毎晩念仏を唱えながら寝ていた。 ある真夜中、カタッと音がしたので目を覚ますと、天井の穴からネズミが顔をのぞかせた。
「おんちょろちょろ」と言うとネズミはジッとなった。
「おんたちどまってナムアミダブツ」と言うとネズミは穴に戻った。
「穴をくぐつておんナムアミダブツ」 ちょうどその時家に入ろうとしていた泥棒はこれを聞き、見つかったと思い逃げていった。
おじいさんはネズミが面白くて念仏を唱え、泥棒は見つかったと思って逃げたのだった。
※「おんちょろちょろ」の噺は、肥後民話などにもある。
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