横浜市開港記念会館
この建物は横浜開港五十周年を記念し、市民から寄付を募って建設された公会堂建築で、大正六年七月一日の開港記念日に開館した。 赤煉瓦に白い花崗岩を縞模様に入れ、建物の隅部に高塔(時計塔)や角ドーム、八角ドームを配するほかに尖塔や屋根窓を各所に設けて意匠をこらしている。 大正十二年、関東大震災にあって屋根と内部を焼損した。 この復旧にあたって、鉄筋コンクリートで構造補強を施し、これにともなって内部の意匠も新しくされた。当初の実施設計、復旧時の設計とも横浜市営繕のスタッフがあたった。長く失われていた屋根やドームは、横浜開港百三十年にあたり建築当初の姿に復旧された。 この会館は、大正期の建物として意匠がすぐれ、また、煉瓦造の建物に構造補強を施した早い例であり、復旧した内部も建物に調和していて価値が高い。
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