群馬での暮らし:熊汁
グンマでは「二足四足は食べない」と言う人もいるぐらい、獣肉を食べない習慣があった。 実際のところは、鹿や熊はいたが簡単に捕らえられるわけではなく、せいぜい兎程度だったと思われる。 また、卵は食べたが、鶏肉は食べなかったようだ。 鶏を祭った庚申様もあるぐらいだから、食べるのを嫌がった感もある。
※グンマ人気質として「自分で飼った家畜は、可哀想で食べられない」というのがあるようだ。
※ケイヤク(村寄合)により、鶏・犬の放し飼いを禁じたり・飼育数を制限していた地域もあったそうだ。
※鶏を飼うのは卵や肉を食べるためではなく、米穀の落ち穂を拾わせるために数羽飼ったらしい。(モッタイナイ精神)
※馬肉はフツーに食べた。牛肉・豚肉・兎肉・雉子も食べた。 鶏は食べずに、埋めるか・神社に納めた。(榛東村)
○熊を仕止めた時の呪文
ゴシンムショウ ウンスイスイノ(業尽有情 雖済不生)
ゴシャクニンリン ドウシブッカ(救宿人倫 同証仏果)
ナムアビラオンケンソウカ
今この人にあひて仏戒にあふ
はらひ給へ清め給ふ
《グンマを話そう》
○クマの恩返し・利根郡
ある昔、じいさまが山へ炭焼きに行き、娘が一人で留守番をしていると、ドンドンと戸をたたくものがあった「たすけてくれろ」。 娘が戸を開けると、猟師に追われたおっきなクマがころがりこんできた。 娘はクマの傷を手当てし山へ返してやった。
翌朝、クマが恩返しにやってきた。 クマは娘を乗せ・じいさまを案内し宝山へ向かった。 そして三本松の根かたに穴を掘ると大判・小判が入った壺がでてきた。 そして、これをもらった二人は村一番のお大尽となった。
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