群馬での暮らし:雨蛙不幸
《グンマを話そう》
雨蛙不幸
親がなにを言っても反対する子ガエルがいた。 親がなにをいっても反対のことしかしない。 それで、親が死ぬとき、どうせ反対のことをするから、その反対のことをいい残すべえと思った。
ほんとうは(死んだら)山の方へ埋けてもらいたかったんだが、山へ埋けろっていえば、川へ埋けるにちがいないと思って、「おれが死んだら川原へ埋けてくれ」って言った。
ところが子供は、がらりと一生に一度、正直になった。 他のことは全部反対にしたが、今回ばかりは最後の願いを聞いて、川原へ親の死骸を埋めた。
したら、今度は、雨が降ると大水が出て、親がなながされるだんべつって、それで鳴くんだって。 それからというもの、蛙は雨が降ると鳴くようになった。
※何を隠そう、雨が降るとグンマ人は外へ出ない傾向にある。
☆あまのじゃく・あまんじゃこ
山びこを、あまのじゃくという地もある。 古くは、山びこの現象を理解できず、妖怪の仕業と思ったらしい。
☆雨蛙不幸
東北~沖縄まで広く分布、北は鳥類・南は雨蛙が多い。
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