群馬での暮らし:権三虫
《グンマを話そう》
○権三虫
ある昔、太郎はおっかさんと細々と暮らしていた。 ある時おっかさんが病気になったが子供には薬代を工面できるはずもなく、隣の権三さんへ銭を借りに行ったが断れて途方にくれていた。 帰り道、白髭のおじいさんに出会った。「この下駄をあげよう。履いて転ぶと銭が出てくる。だが欲張ると自分の体が小さくなる。」 太郎は「山の神様」に違いないと、薬を買いおっっかさんが治った後は神棚に供えて拝んでいた。
これを聞いた権三は、無理矢理下駄を取り上げ、転び続けた。 しばらくして太郎が権三の家へ行くと、小判の山の上に権三の着物がのせてあり、太郎の足下にはちっちゃな虫がいた。 その虫の顔は権三だった。
今なお、「権三虫が来るから夜、金の音をさせるな」と言い伝えられている。
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