さるよめご
《グンマを話そう》
○さるよめご
ある昔、村はずれの一軒屋に、おじいさんと三人の娘が住んでいた。 いつものようにおじいさんが山で畑仕事をし、疲れて休んでいるときに「歳をとった。 だれかこの畑を耕してくれれば、娘をよめにやるがなぁ」と独り言を言った。 すると、林の奥から大きなさるが出てきて、たちまちのうちに畑を耕してしまった。
家に帰って娘に話すと、上二人はイヤだが末娘がイイというので、猿の家に嫁にいくことになった。 猿家ではみな良く働くのでゆたかなお正月を迎えることとなむり、おじいさんに餅を持っていくことになった。 そこで娘は、やわらかい餅を食べさせたいから臼のまま持っていこうと、猿に臼を背負わせた。 途中の沢に梅が咲いているのを見つけ「おじいさんに持っていきたい」と言い、猿に臼を背負ったまま木に登らせた。 「それもよいけれど、もっと上の花がよい」と言うと、猿はだんだん上に登りついには細い枝となり、枝が折れ臼ごと川にながされてしまった。 こうして、末娘はおじいさんの家へと帰った。
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