グンマの昔:かどづけ
かつては、万才・俵ころがし・猿まわし・飴屋・さいもん(語り)・鉦打・春駒・市巫・瞽女・六部などが村々を巡っていたそうだ。
○俵ころがし
正月にやって来た門付け芸人。 かすりの股引に半纏を着て・豆搾りの手拭いを腰と頭に巻き「宝の持ち込み」と言いながら、米俵を転がして入ってきた。 ち「一つころがし千俵、二つころがし万俵、めでたやめでたや俵ころがし」といい餅・米・お金を貰った。 もし断ると「宝の持ち出し」と言って帰っていった。
○門付芸(門付芸人)
一般的には下記のものがあった。
千秋万歳、 松囃子、 傀儡子(傀儡・人形回し・でこまわし)、 萬歳(門付歌)、 春駒(門付歌)、 鳥追 (門付歌)、 大黒舞、 獅子舞、 物吉、 猿回し、 ちょろけん、 夷回し(夷舁き)、 太々神楽、 鹿島の事触れ、 厄払い、 夷舞、 節季候、 門浄瑠璃、 門説経(門付歌であり説経節を門付芸として行うもの)、 歌祭文(門付歌)、 鉢叩(門付歌)、 なまいだ坊主、 願人坊主(すたすた坊主)、 芥太夫、 簓摺り、 法界屋、 箱回し、 化他、 ちょぼくれ、 胸叩き、 チョンダラー(沖縄の門付)
※三河万歳も来た。 来る時は前もって「みかん」を送ってよこしたので、そうすると村中準備をして待っていたらしい。
※瞽女の話はいいところまでくるとやめてしまい、続きは追加料金というのもあったらしい。
その他にも下記など来た。
○薬屋
富山・越後から売りにきた。(ピリスなどあった)
○毒消し売り(ドッケシ売)
越後の娘が菅笠に脚絆姿で「毒消しはいらんかネ」と来た。 化粧品・ハッカ・包丁・鋏なども持ってきた。
○ヨカヨカ飴屋
「飴を買う子はしんから可愛い、買わせる親はなお可愛い。 飴を買わなきゃしんから憎い、買わせぬ親はなお憎い」と来た。
○羅苧屋(らおや)
羅苧のすげかえ・キセルの傷んだシノを直にやってきた。
○セイセイヤッカン
手風琴を鳴らし・唄をうたい・兵隊の服装で、丸薬をうり歩いた。
○豆ぞう小僧
「マメゾコゾウがきたならば、入れもん小鉢でくれてやれ。入れもん小鉢が面倒な らば、俵・カマスでくれてやれ」、と唄いながらきた。 フクダワラというホイトもきた。
○せきぞろ
春に来て、二人揃って同じことを言った。
○阿呆駄羅経
お集りの皆々様に、一と時御耳を拝借致し、喜楽親父が申し上げます。お経の文句は、ひまにまかせて、里見の郷を尋ねて見るなら八犬伝なるゆかりもあるやら、天下の忠臣、新田の御大、生れた旧里といわれる里なる西から東へ訪ねて廻れば、上の里見は本庄風戸などゝ間ほれてその間野わるさに、開くは谷ケ沢福徳揃いで、保古里を払らって簗場で一杯、よろりよろりと来た鎧橋、水が火になる発電来て見りゃ、聞いてたまげて見ておどろいた、烏の川端ぶらぶら下れば、神が山ほど利やくを授ける、森下橋なら夏の涼風、逢うてうれしや神山に、店は軒なみサービス満点、お客も集まる、春日神社の参拝忘れづ、お金川岸端豊かな暮し、本町上町天王小路で、夜毎に楽しむ逢う瀬もあるげな、嬉し中町下町越えて飛んだ上神まわりまわって、蕨平で空にひばりと、雉子ケ尾を引き町へと降れば、稔る田中や新井の口で、逢うてうれしや、その中里見話ししたさに塚崎越えて、上の段から根岸で休み、上下井の下も尋ねて見ると、積もる話は十王堂で、添うて中よく暮せる様と、浅間様え御顕を掛けりや、いつもお養蚕(かいこ)大当り、チャカポコチャカポコ
原の古道ながめもよくて、郷見神社の社前へ出て、古いゆわれも数々あれど、御参り済せて古城へ登る、下の里見に向井を受けて忘れられない梨の味、二度も顔見る重谷戸や、官谷戸えと行く中通り、北/を下れば八丁目、上の大島新田見れは、結ぶ前村北村過ぎて、万行神社の由来も遠く、中の川原を光明寺迄、福徳無量の里見山、その名の様に五福の末寺、常福、泉福、万福寺とて、三福そろって村内に御座る、福徳円満心もはれて、千秋万歳万歳楽と、村内平和の祈願をあげる チャカポコチャカポコ
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