○焼饅頭(味噌附饅頭)
アノ豊艶な容積! アノ細かに包む砂糖味噌! 図らざる垂涎に思はず訊く値の、僅かに一銭なるに顧眄、『隣の店に並べてあるアノ小さな団子でさへ、やッぱり五つの一銭だのに、能くまァ此度に安く売れるわい…』
初めての旅人は、莞爾一番、つい手を出す、口にする。 其の時、否その刹那、其の内容、其の味質、其の価格の孰れに於いても、却と隣在の団子の遥かに優越し居るを知り、其の余りに見かけ倒しなるに、何人と雖も喫驚せぬ者はなからう。
(あゝ宗教の危機!:即上州気質の危機、真下醒客、日月社1916年)
※前橋名物「味噌つけ饅頭」に負けることなく、「片原饅頭」が売れたらしい。
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