○血の池
昔、赤城山地蔵ヶ岳の頂上には立派な社があり、地蔵追分の近くに物売りをしている老夫婦と娘がいた。 娘は器量良しだったので言い寄る若者が多く、困った娘は「水の無いこの地に井戸を掘ってくれたら結婚する」と告げた。
すると、二人の若者が争って井戸を掘り始めたが、どこからも水は出なかった。 それでも、若者は血を吐きながらも掘り続け、ついに井戸から水が湧きだした。 これを聞いた娘は「約束だから」と言いつつ井戸に身を投げた。 そして、若者も後に続いた。 井戸の水は真っ赤に染まり、湧き続けた水は窪地に溜まり「血の池」となった。
(赤城地蔵岳)
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