○平九塚
ある昔の草津温泉に、本多平九というみすぼらしい旅の僧がやってきた。 村中の家や旅館をまわり・念仏を唱え・托鉢をし、その日その日を暮らしていた。 やがて平九も歳をとり、外へ出ることが少なくなった。 そんなある日「大往生を遂げる時がきた。生きながら土に入り・念仏を唱えながらあの世に行く」と言い残し、町入口の運動茶屋のほとりに土穴を掘り・中で鉦をたたき・念仏を唱え始めた。 七日あまり経つと鉦の音も止まった。
里人は誰言うとなく「平九の塚を作ってやんべぇ」となり、「平九塚」を作り「平九の泣灯籠」を立てた。(後に白根神社に移された)
コメント