ぐんまわらべうた:やかがし
○やかがし歌
四十八虫の口の
焼きもげるように
どっとどっと (ぺっぺっ)
稲の虫の口やき
麦の虫の口やき
きびの虫の口やき
大豆の虫の口やき
野菜の虫の口やき
どっとどっと(ぺっぺっ)
※二股に分かれた豆木に、いわしの頭を刺し囲炉裏で焼く。 「焼き嗅し」が訛ったもので、悪臭により目に見えない邪悪なものを家の中に入れないようにしたのが始まりと言われている。(虫封じ) 案山子の一種との説もある。
○虫の口焼き
二股の柊に鰯の頭と尾をさし囲炉裏で炙り(豆木の場合もある)、囲炉裏のまわりの人々に順番に渡され、各自呪文を唱える。
「稲の虫の口を焼き申す。 ペッペッ」 「茄子・胡瓜・稲・麦・小麦・小豆・大豆・その他四十八色の虫の口を焼き申す。 ペッペッ」、など地域により異なる。
※ペッペッは唾をはきかける。
※大晦日に豆撒きをする地域もある。
※室町期以前の京都では、イワシに代わってボラの頭だったといわれる。
○大晦日の鬼やらい
豆まき(鬼やらい)は、大晦日に行われた追儺に由来する。(源流は中国の儺・大儺)
新年を迎えるにあたって悪鬼を追い払い・疫霊を除く宮中の年中行事となり、大晦日の大祓に次いで行われたとされる。
室町時代に入り、一般家庭で豆まきが行われたといわれる。
○鬼やらい(鬼追い・鬼打ち・追儺)
悪鬼・疫癘を追い払う行事、平安時代宮中で大晦日に行われた。 これが変形して二月三日の節分になったといわれる。
※柊や鰯の頭を戸口に差すのは、悪臭で疫神が入ってくるのを防ぐためといわれる。
☆江戸の節分
節分の鰯の頭と柊は、四月八日に取り払う。 そして、お釈迦様の花と称して「卯の花(うつぎ)」を掲げた。
☆節分と鬼
古くは、病気・災害・飢饉などすべての災難を「鬼」とよんだ。 鬼が居るのは鬼門の方角(北東)、それは丑寅であるので、牛の角と虎の模様にしたともいわれる。
☆節分
柊は椎の別名、木製武器の木槌のことであり、大晦日に鬼を追い払う儀式に用いた。 鰯は「青い矢」ともよばれ、弓で矢を射て鬼を退けた。 文武天皇時代藤原京、晦日戌の刻に追儺が行われ、弓矢を持った官僚が「鬼よ帰れ」と唱えた。
※ここでいう鬼とは、死者の魄(死霊)
※追儺とは「鬼やらい」のこと
☆唾と厄除け
世界的には唾は厄除け、軽傷に唾をつける・マユツバなどはツバに呪力があると信じられていた。
☆とどのつまり
魚のボラ、成長するにつれオボコ→イナ→ボラ→トドと名が変わる。 最後は結局トド。
コメント