小見真観寺古墳
前方後圓型ノ墳丘ニシテ俗ニ觀音嶽ト称ス 主軸西々北ニ向ヒ封土ノ左側部及前後頂部共ニ削平セラレ右側部ハ旧規ヲ存ス主軸ノ全長約三百三十三尺前方ノ高サ二十一尺後圓ノ高サ約二十二尺後圓部頂部ヨリ深サ約九尺ノ所ニ孔口ヲ南面セル石槨ヲ露出セリ寛永年間觀音堂創建ノ際発掘セシト傳ヘラル槨ハ緑泥片岩ノ板石ヲ以テ築カレ前後二室ヨリナル後室ニハ組合セ石棺ノ置カレタル痕迹ヲ存セリ此石槨ノ北方ニ当リ後圓ノ頂部ノクビレ部ニ接セル所ニモ緑泥片岩ヲ以テ築カレタル單室ノ石槨アリ其ノ孔口北面セリ 明治十三年ノ発掘ニ係リ甲冑、刀劍、銅鋺、土器等ヲ出セリ
☆小見真観寺古墳・おみしんかんじこふん
真観寺境内にある全長102m、高さ8mの前方後円墳で、後円部と鞍部の2ヵ所に横穴式石室があります。
後円部の南側にある横穴式の複室の石室は、寛永十一年に発見され、秩父産の緑泥片岩による石室で巨大な石材を用いた精巧なものです。 前室は奥行2.7m・幅2.2m・高さ2.1m、玄室は2.4m・幅2.2m・高さ2.1mで両室の間仕切りは、緑泥片岩の一枚石に四角い窓を開けています。
鞍部にある石室は、明治13年に発掘され金環・鉄製刀子・金銅装頭椎太刀・銅鋺などが発見されました。 出土品は、東京国立博物館に所蔵されています。
最近の発掘調査で周溝が確認され、その底付近から埴輪の破片が多く発掘されました。 また、出土遺物などから六世紀末から七世紀初め頃に築かれた市内最後の前方後円墳でなはいかと推測されます。
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