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朝倉彫塑館 メモ

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横線540透明


☆旧朝倉文夫氏庭園
 日本の近代彫塑界の巨匠である朝倉文夫(1883〜1964)は、明治40年(1907)に東京谷中にアトリエを兼ねた邸宅を構え、亡くなる昭和39年(1964)まで自らの創作活動と後身指導の場として使い続けた。文夫は、芸術を「自然と人生との象徴形」と捉え、アトリエを含む居宅の建築及びその後の増改築においても、「庭」との一体感に配慮した独特の空間意匠と造形を追求した。
 現存する建築は、大半が昭和10年(1935)の増改築に成る。特に中庭は一群の建築に囲まれた南北約10m、東西約14mの狭隘な空間の大半を水面が占め、水面の随所に配された多彩な景石が創り上げる密度の濃い水景は圧巻である。
 また、新アトリエ棟の屋上菜園は、昭和初期に遡る鉄筋コンクリート建築の屋上庭園の事例として貴重である。ビワやオリーブなどの樹木が植えられ、周辺の花壇では、文夫が昭和2年(1927)に自邸とアトリエにおいて開設した「朝倉彫塑塾」の塾生が蔬菜を栽培し、日常的な園芸実習の場として使われた。
 文夫の芸術思想の特質である自然観をよく表し、狭隘な空間に濃密に展開する庭園の芸術上・観賞上の価値は高く重要である。

☆台東区立朝倉彫塑館東屋
昭和前/1935
木造平屋建、銅板葺、建築面積4.0㎡ 
 諏訪台通りに面して開けられた正門を入って左手,敷地の北西隅に在って,アトリエ棟表玄関に向き合うように建つ。南東面を入口とした五角形平面,数寄屋意匠の待合的東屋で,北と西の2面に腰掛を設け,傘状垂木の緩勾配,銅板葺の宝形屋根を架ける。

☆台東区立朝倉彫塑館旧アトリエ
大正/1923
木造平屋建、金属板葺、建築面積50㎡
 住居棟の東,天王寺寄りに建つ。関東大震災後の復興アトリエで,現在の彫塑館が完成する過程の起点となったもの。北東,南東,西南の3隅を隅切とし,北面に天窓を設けた宝形屋根を架け,頂上に「浴光」と題された裸婦像を載せる。

☆台東区立朝倉彫塑館住居
昭和前/1935
木造2階建及び鉄筋コンクリート平屋建、瓦葺、建築面積260㎡
 アトリエ棟の東に造庭した「五典の水庭」を囲うように建つ木造和風建築で,東側に裏玄関,北側に2階建の居住部,北東に台所と浴室,南側に渡廊下を配し,南西端の応接室でアトリエ棟書斎に連絡する。裏玄関・居住部・応接室等は朝倉文夫好みの数寄屋の造り。

☆台東区立朝倉彫塑館アトリエ棟
昭和前/1935
鉄筋コンクリート造3階建、一部地下階付、建築面積280㎡
 彫刻家朝倉文夫のアトリエとして知られる。鉄筋コンクリート造3階建で,朝倉文夫自身の設計になり,曲面を多用したアトリエ,数寄屋意匠の玄関ホール・3階朝陽の間など独特の個性的デザインが随所に見られる。現在は彫刻美術館として公開されている。


☆東屋・四阿
 古くは東国風(田舎風)のひなびた建物、宮殿・神殿などの切妻造りに対して、寄棟造りの建物を東屋とよんだ。

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