愛宕山古墳
☆愛宕山古墳は、長さ53mで埼玉古墳群の前方後円墳としては最小です。 墳丘はやや変形しているためわかりにくくなっていますが、他の前方後円墳と同じく、前方部が南側になります。 周囲に建物が接していることもあり、あまり目立たず、周囲の古墳の大きさに気をとられると見落としてしまうかもしれません。 しかし、よく見ると墳丘に石仏があり、まばらに生い茂る木立とともに、心落ち着く静かな空間となっています。
また、駐車場側の堀にはハナショウブが植えられており、二子山古墳同様、初夏には花を楽しめます。「愛宕山」の名は、かつて墳丘の上に愛宕神社がまつられていたことによるものです。
最小ではありますが、墳丘は、他の大型前方後円墳と同じく二重の堀に囲まれていることが、発掘調査により確認されています。 また、その際、武人などの人物埴輪、大刀・盾・きぬがさ(貴人の傘)などの器財埴輪、馬形埴輪や円筒埴輪が出土しました。 円筒埴輪は高さ40cmほどで、古墳の大きさに比例するように、100m級の大型前方後円墳に立てられた円筒埴輪に比べ小さいものです。
それらの特徴から、この古墳は、二子山古墳に近い時期の、六世紀前半に造られたと推定されています。
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