お御前様
☆御前社・将門伝説
頃は天慶年間平将門は破れ その后妃は御厨(屋)三郎(平定延期)につれられて 下総の古河より秩父の城峰山に移ったが 程なく城峰の砦も落ちてしまった。
主従合わせて百余人は敵の大軍に追われつつ三峰方面に向って逃げたのである。 然し此分ではとても逃のびる事は不可能であると悟った家来の五人は如何にして我が主だけは刃にかけたくないと思って一策を案じ 敵の大軍が雪崩を打って押し寄せてくるのに乗じ意を含めて味方の大部隊は南方秩父町方面に遁れさせ 新井民部・小池孫一・久保内膳・山口判之丞・大雲取大天鬼は 将門の后妃と腰元徳女を連れて道を横に切れ、今の原谷村大字黒谷のさる岩窟に身を隠した。 策略はうまく成功した。 敵の大軍は将門の臣九十九人を追跡して去ってしまった。
時分はよしと五人の家臣は 之を橡谷村字立石にお連れ申し、立石山の岩窟にご避難遊ばされたという事である。 今岩窟の下には御前社が設けられて御前徳女・大天鬼が祀られている。
前の九十九人は大滝に落ち ここで自刃して終わつた。 此の血が流れ落ちたと言うので此の土地を落川と言い今もその霊を祀った九十九社がある。
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