本所七不思議
墨田区本所
○おいてけ堀・置行堀
堀で釣りをしていた人が、魚籠もいっぱいになり帰ろうとすると「おいてけ~おいてけ~」と不気味な声が聞こえ・金縛りのようになった。 なんとか逃げだし気がつくと、魚籠は空っぽになっていた…
※七不思議は、七話とは限らない。 七は北斗信仰に基づくといわれる。
○片葉の葦
お駒に惚れた溜蔵、相手にされず・可愛さ余って憎さ百倍、ついに駒留橋でお駒を刺し・堀の葦の間へ投げ込んだ。 それ以来、堀の葦は片方しか葉が生えなくなった。
○送り拍子木
本所割下水を「火の用心、さっしゃりましょう」と拍子木叩く夜回人、闇夜の中、背後より拍子木の音がついてくる…
○送り提灯
朧月夜のほろ酔い侍の前に現れた年増、提灯片手に「行き先はこちら」と招くが・近寄ると消えてしまう…
○明かりなし蕎麦(消えずの行灯)
無人の蕎麦屋台、まだ店をたたむ時間ではないのに行灯が消えている。 蕎麦屋が戻ってくるのを待とうと行灯に火を点けるがすぐ消える、何度点けても消えてしまう…
○足洗い屋敷
本所三笠町旗本味野岌之助屋敷、草木も眠る丑三ツ時、家鳴振動し座敷天井を突き破り血に染まった足が現れ「足を洗え!足を洗え!」…
○狸囃子
どこからか聞こえる祭囃子の笛太鼓、探し歩くも見つからず。 くたびれて家に帰って寝てしまった。 目を覚ますと、そこは狸が住む野ッ原…
○津軽家の太鼓
津軽越中守上屋敷、火事の時に太鼓を打ち鳴らして知らせた。
※太鼓は「常火消」を命じられた火消役人だけが用いることができた。
○落ち葉なき椎
大川端松浦備後守上屋敷は「椎ノ木屋敷」、堀外まで枝々を伸ばした椎古木。 誰もその葉が落ちるのを見たことがなかった。
※椎ノ木屋敷は舟で吉原通いをする者達の目印でもあり、「嬉しの森」とも称された。
本所七不思議 : 怪談百物語
二婦人の憎み ・恐ろいし工み ・蛇攻めの惡事 ・骸骨の行列 ・氣味の惡い顏 ・枕元の怪物 ・穴中の骸骨 ・丑の時參り ・火の玉の加勢 ・置いてけ堀 ・池中の大變 ・夜中の馬鹿囃子 ・大土龍と古鼬 ・天井から一本足 ・片葉の芦 ・二怪物の往生 ・江の島の岩窟 ・地藏の摘喰ひ ・敵の片割 ・竪川の一つ提灯 ・惡漢の脅喝 ・毒婦の最期 ・足の獨歩き ・堀の埋立 ・池畔の仇討
義民の怨靈
將軍へ直訴 ・苛酷な刑罰 ・母子の變死 ・殿樣の發狂 ・幽靈の案内
夜中の葬式
井戸端の漬物桶 ・闇の上野山下 ・早桶の破壞 ・氣味の惡い笑顏 ・死骸の紛失
☆上野七不思議
不忍の大蛇、稲荷の狸(花園稲荷)、不忍の笛、姥ヶ懐、谷中三里、清水堂の龍(浅草で食って上野で水を飲み)、女湯の刀掛け
錦袋圓
三橋(三牧橋)
☆湯島七不思議
河内谷三業滝、上湯島種ナシ柿、下湯島村上の七尾ヶ滝ノ夕日照、天狗森鳶ノ羽嘴石、下湯島向島涸池、下向島尻風穴、下湯島村下の物見石
☆神楽坂七不思議
しし寺のももんじい、勧工場の逆戻(出口と入口が一緒だった)、藪蕎麦の青天井、奥行なしの牛肉店(いろは)、島金の辻行燈、菓子屋の塩餡娘、絵草紙屋の四十島田、
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