総持院
☆総持院の鐘楼門
総持院は真言宗智山派の寺院で、開山の法印良秀は天正五年の寂なので、室町時代後期頃の開創と考えられます。 寺は見沼の谷を見下ろす台地の上にあります。 牡丹の名所としても知られます。 上り坂の参道を上がったところに梵鐘(現在の鐘は昭和51年の鋳造)のかかる瓦葺き二階建ての門があります。 簡素な造りですが重量のある銅鐘を釣るだけあって、均整のとれた美しさを見せています。 江戸時代中期から後期にかけての建築と思われます。 明治の末に火災があり、この門のみが残ったといいます。 門の形式は三間一戸の鐘楼門で、あまり類例の多いものではありません。 この鐘楼門は、台地の縁辺にあるため遠くからも見え、鐘の声は見沼の谷を越えて遠くまで響きます。 門を入ると左側に安永六年の立派な庚申塔があり、その近くに中世の宝篋印塔の部分があり、基礎に「永享」の年号が刻まれています。 15世紀前半のもので、この地の歴史の古さが知られます。
☆足立坂東及び新秩父観音札所
観音霊場のうち、足立坂東三十三番札所と新秩父三十四番札所を写した霊場が緑区内にあります。 足立坂東札所は足立郡内で巡れるように南北に二通り設けられ、ともに足立坂東観音霊場といい、緑区の札所は南部のものに属し馬場の三室堂が五番、東浦和(旧・大牧・和田)の清泰寺の十一面観音が六番、大間木・八丁の観音寺〈観音堂〉が番外となります。 宝永二年の成立で番外も含め35カ所になります。 また新秩父観音霊場は、緑区・見沼区・浦和区にある34カ所で下野田の圓徳寺が三番、大門の大興寺が四番、南部領辻の総持院が五番、山崎の観音堂(宝蔵院)が九番、三室・中原の中原堂(白衣観音堂)が十番、中尾の吉祥寺が十三番、同・駒形の中尾堂(十一面観音堂)が十四番、同・中丸の桑原堂(現在は駒形公会堂-福正寺跡に移されている)が十五番となっています。
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