群馬での暮らし:めっぱ
群馬では、[ものもらい(麦粒腫)]のことを「めっぱ・めかご・めかいご」などと言います。治し方は地域により異なり、
○めっぱを井戸に半分見せ、治るようにお願いする。
○井戸の中へ笊を半分覗かせ、治ったら全部見せると言ってお願いする。
などいろいろです。 「ざるをかぶるとメッパになる」、言い伝えもあります。
※アクセントは語尾が上がります「メッパ↑」。
※地域によっては水嚢。
《グンマを話そう》
笊や籠をかぶるとになるので、「眼籠(めかご)」。
ものもらい→こじき→はち(托鉢)と変化して、「めはち」が訛って「めっぱ」。
眼をパチパチするの」で、「めパチ」が訛って「めっぱ」。
など諸説あるが定かではありません。 また、飲水が貴重なので深い井戸を掘った邑楽では「井戸をのぞくと井戸神様のパチがあたる」と言い伝えられています。
他県では、
○[やんめ大売り出し]と書いた紙を電柱などに貼る。
○ご近所さんから窓越しにおにぎりをもらって食べる。
○三軒の家から米をもらって食べる。
○黒い木綿糸を目の前で1回方結びし、その糸を川に流す。
○寝る前に寝巻のすそを糸で縛る。
などがあります。 ちなみに、函館弁では「めくされ」。
☆めばちこ・「めーぼやと思うたら小豆粒だった」
小豆三粒を掌にして・井戸端へ行き・一粒を目疣にあて・呪文「めーぼやと思うたら小豆粒だった」を唱え・小豆粒を井戸へ落とす。 これを三回繰り返したら・後ろを向かずに帰る。
☆めばちこ・上方編
以下から選ぶべし
○井戸の中へ小豆三粒投げ込み・治癒祈願する。
○「めばちこ売ります」と書いた紙を・他人に見られないようにして貼る。
○藁一本を、「めばちこむすぶ」と唱えながら一回結ぶ。 これを三回繰り返す。
○「めばちこもらってください」と唱えながら、石を三個置く。 その石につまずいた人にめばちこが移る。
☆眼疾
トラホームに感染する人々が多かった。 眼の調子が悪いと汚れた手でこする・ひの手で子供の顔を撫でる・洗顔は毎日ではない・手ぬぐいは一本を家族全員で使う、などで家中に広がったといわれる。
☆目籠(メカイ・メケエ)
井戸さらいの後まだ水が出きらぬうちに井戸を覗くと「メケエ顔」になる、といわれた。
※函館弁に、「いいふりこきのじんぴこき」というのがある。
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