群馬での暮らし:へっぷり鬼
《グンマを話そう》
○赤城のへっぷり鬼
ある昔、赤城山には沢山の鬼達が住んでいた。 なかでも大きくて強いのが「赤鬼」と「青鬼」であり、毎年行われる祭りの相撲大会の横綱であった。 その祭りが近づくと、「赤鬼」と「青鬼」は絶対勝つぞ!と大好きな山イモをたらふく食べて体力をつけ・稽古に励んだ。
そして試合当日「赤鬼」と「青鬼」は向かい合った。 シコを踏めば山々が揺れ、角と角がぶつかり合えば火花が木々を紅葉に変え、しまいに互角のまま動かなくなった。 行司が「はっけよい!」、 思わず鬼達はいっぺんに力を入れた。 その時だった、鬼達はどうにも我慢ができなくなった「グォーッ」とばかり山々が激しくゆれ、応援したてた鬼たちも・行事も・そしてすべてが土煙と一緒に麓まで吹き飛ばされてしまった。 これが赤城のからっ風である。 また「赤鬼」と「青鬼」も空高く舞い上がり、落ちた先にくぼみができた。 これが大沼と小沼である。 (大きさの違いは、頭から落ちたか・尻から落ちたかによる)
しかしながらこの勝負は終わることなく現在も続いている。 それが「からっ風」だ。
赤城山から、鬼がけつ、つん出して、なたでぶっ切るよなへをたれる。
早くねろねろ、また風あれる、赤城へっぶり鬼またへをたれる。
アラ、ギッチョンギッチョンナ。
○角力甚句
すもうにゃまけてもけがさえなけりゃ ばんにはわたしがまけてやる
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