グンマの昔:わらじ
○フセギ(塞ぎ)
村境は、疫神が入ってきたり、厄災・悪霊を追い出す所であった。 そのため、村境に大きな草履をつるし「この村にはこんな大きな草履を履く大男がいる」と脅す習俗があった。(八丁じめ・辻切り・フセギ等ともよばれた)
※大わらじには、「旅の具として遠くから来る神をもてなす」との説もある。
※「天照大神の使者アマノウズメノミコトが大国主命の国へ入ろうとしたところ、臣の猿田彦が大きなワラジを片方だけぶら下げて入国を阻止した」のが始まりとされている。 なぜ片方だけだったのかは解明されていない。
○塞ぎの神
イザナギは死んだ妻イザナミに会おうと黄泉の国まで行ったが、その姿を見て恐ろしさのあまり逃げ出し、追ってくる黄泉醜女・雷神・イザナミからやっとのことで逃れ、黄泉ツヒラ坂を大岩で塞いだ。 これが古墳の羨道を塞いだ「塞ぎ石」であり、「ヨミドニサヤリマス大神」ともよばれた。
○保食神
古事記や日本書紀には、保食神の死体から[蚕・稲・粟・小豆・大豆・麦・稗・牛・馬]が化生したとある。 この保食神は肩に稲穂を担いでいるところから、稲荷(とうか)神とよぱれ、それが訛ってイナニ→イナリとよばれるようになった。また保食神のお使い神が白狐であった。
○道祖神
遠くから遊行してくる神が岐神、これをさえぎる神が塞ぎの神、そしては両神ともに道祖神となった。
○八丁注連(はっちょうじめ)
地域によっては、シメナワ(注連縄・幣束)のこともある。
※注連縄は、左巻きとされる。
※草鞋が一足なのは、道祖神が一本足だという伝承に起因する。
☆標縄(しめなわ)
稲田の所有権を示すために張った縄が「標縄」、「なわ張り」の語源となった。 その後、神の居住域を示す目印「注連縄」となった。
☆天の橋立
射奈芸命が天上に通うため橋(梯子)を作り立てかけておいたところ、倒れたのが「天の橋立」となったともいわれる。
☆二足の草鞋
二足同時に履けないことから、博打打ちが岡っ引きを兼ねることができない、が源。
◆浮橋にアアまたいくよ二柱
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