ぐんまわらべうた:こんにゃく毬
ゴム毬ができる前は、ゼンマイ(の綿をほしたもの)・綿・岩ゴケ・八頭芋の茎 などを芯にして、布を巻き・色々な糸を撒いて手毬を作った。 下仁田では、コンニャク毬を作ったという。 ゴム毬は貴重品でフツーの家の子には手に入らなかった。
○上州の糸毬とコンニャク毬
明治末にゴム毬ができるまでは、ゼンマイのや岩ゴケなどを芯にし、綿や八頭芋皮をまるめて手毬を作った。 下仁田では、蒟蒻をすり下ろして丸めてコンニャク毬を作った。 こうして作った糸毬・かがり毬・蒟蒻毬はさほどはずまないので座っての毬突き「座り毬突き」であった。
※写真は、かがり毬の芯に入れるヤマカマス
○手まり歌・まりつき歌
向こうのおやぷで鳴く鳥は ちゅうちゅう鳥みどりか
ちゅうざぶろうのみやげ何なにもらった
さんざし髪差もらった
やぶのかげにおいたらば ちゅうちゅう鼠がひいてった
どこからどこまで引いてった 鎌倉街道のまん中へ
一なき 二なき 三なき桜 桜の下の坊さんが蜂にチンコをさされて
いたいともいわず かゆいともいわず ただ泣くばかり
まずまず一貫かしました
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とんとん殿様どちござる おんたけ女郎衆の帯買いに
帯もよいが地もよいが
しめてみたらばしなしなと たたんでみたらばふくふくと
納戸のすまへ置いたらば 姉ごにとられて腹がたつ
そんなにお腹がたつならば 銭屋の銭でも上げましょう
金やの金でも上げましょか
それでもお腹がたつならば 箪笥長持みな上げる
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あれ見いさい向う見いさい 小田原名主のなか娘
色白で桜色でいろだて庄屋へもらわれて
きんらん鍛子の七重ね
七重ね八重ね重ねて染めておくれよこうやさん
お前のことなら染めてもあげよが
ほってもあげよがおかたは なになにつけようか
後にはきじのめんどり 前にほ五条のそりばし
その橋を渡るものやら渡らぬものやら
鳥川へと身をなげる
身ほ沈むかみほうきる 小袖ほどんどんと流れる
やれきちとしめろ それきちとしめろ
とめればお前がごになる ごしょになる
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一の木 二の木 三の木ざくら
ごよう松やなぎ やなぎの下に
お姫さまがとまってどこへござる
お江戸の道に 羽根のはえた鳥と
ちゅっち ちくちゅ ばったばた
ちょうど一貫したよ
かした かしたよ
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一つ ひいらぎの木
二つ ふじの木
三つ みかんの木
四つ ようじの木
五つ いちょうの木
六つ むくれんじゅ
七つ なんてんの木
八つ 八重ざくら
九つ 加齢の木
十で とちぐり
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向う山でわらび摘むのは 人の嫁か娘か
娘なら門に呼びょせ むこなら入りむこ
入りむこに ひしゃくとらせて
しゅうとさまのさかずき そのさかずきだれにくりょと
お菊じょろしゅにくりょと
お菊じ上ろしゅは ここにいないもの
東街道にいるもの 東街道じゃ
水がふえて 名主さまにおしこんだ。
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向う山で白猫が あしだをはいて木のばりだ
あしだじゃあぶない じょんじょがいい
じょんじょの鼻緒が切れたのは 赤いはなおで立ててやれ
一月正月釆たなれば お母さんの前でも手をついて
お父さんの前でも手をついて ながながお世話になりました
まずまず一貫かしました
ひいふうからくりからいつは
二十やひろにまたやひろ 合せて三十六のひろ
今朝のあらしでみなちいけた
まずまず二貫かしました
そこでどんぶら屋の みちやのていしは
蛇に命をとられて その蛇はどこだと聞いたら
からたち山の青大将 木にからまり 柳にからまり
うちのボタンにからまり
まず三貫かしました。
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天から落ちた五郎八っつぁん
茶がまであんこついて しらじでもちついて
おれにもちくんねと じゃまするじゃまする
まずまず一貫かしました
つきました
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ひいふのみこちゃん なんで金ためた
一条二条三条さくら
四条ようなぎ
五条ごうぼう
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お正月ほおめでたい 竹や松でかどまつり
かざりと下から出た鳥は 羽根がじょうろく
目が三つ 目が三つであったとさ
いしゃごろのまん中で だれとだれで石なげた
男のこども石投げた
男のこどもにくい 女のこどもかわいな
それからなまずに橋かけて
なまずのおじょろにとめられて
せきだせきだでふんでやる
せきだせきだでいやなれば
右のお足でふんでやる
右のお足がいやなれば
左のお足でふんでやる
これで一貫かしました
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あの山で光るのは 月か宝しかほうたるか
月なればおがみましょ ほたるなれば手にとる
これでまずまず
ちょうど一貫かしました
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おんさか酒屋のおさかいちょう
ほなむらよ じゃまくらよ
じゃまくらおじさん おしくだり
つづいて駒さん まんのすけ
みちにて字を書く ななひふで
ひとつ ふたつ
みっつ よっつ
いつつ むっつ
ななつ やっつ
ここのつ とう
ちょうど一貫かしました
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天神様よ天神様よ
この手をあばりてくださるならば 一梅針ものを 五つとこ六とこ
長い長い両国橋を お馬で越そか お駕寵で越そか
お馬もお駕肋龍もいやじゃいやじゃ
十七八年で手をかしょ
これで一貫かしました。
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高林のとうべ名主のお夏が死んだら
なき涙
まずまず一貫かしました
かしました
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足利のいなり様は なにがお好きと あててみな
あぶらげに 生のおとふに 赤いごはんが大好きだ
テテショマメショ
ゆうべおいびすこに呼ばれて行ったら
赤ものすいもん すずめのやきとり
いっぺんだんごをすすり すすり
二はいめには 名主のご平さんが
魚が無いとて おほらだち
まずまず一貫かしました
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きんかんきのうらうらすけかアぜ
おぢゞやおばゝやあさひの茶ぶくろ
しょなりしょなりと しんしょがなアい
おかごはろくしやく七めんがアた
あがりやさがりやあがりやそオめん
昔しはやったたでごのかアわ
かわざきなみうち おゝさのさ おせどのさ
おんさむらいしがお敵を打つとて
おねむりころんで おちやわんーけっころがして
さしたかどウりんさゝねかどウんどウん
どウんとなる鐘は こーこーいちよさん
酒屋の女郎きん ひ-ふーみーよー
いつはかんだのゆきじろぎまよ月のみやげに何々もろた
櫛やこうがいつげをのせきだ
紙にくるんでいろはとかいて こんないろはが叉あるものか
せんちよう まんちよう まづ一貫かしまアした
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※「一貫かしました」は、「米一貫貸しました」らしい。
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