グンマの昔:赤堀道元
○赤堀道元の妻(伊勢崎)
赤堀村領主赤堀道元の先祖俵藤太藤原秀郷は、近江国三上山で大ムカデを退治した。 その道元の妻が赤城大明神を参拝し赤城山へと向かい小沼の畔に来ると、水面が高く吹きあがり大ムカデが現れ、妻を沼に引き入れてしまった。 そして「祖先が亡きものとした大ムカデの祟りである。これからは沼の主となる。」と言い残し大蛇となり沼に消えた。 これ以来、赤堀姓を名乗る者は赤城大明神に参詣してはいけないとされる。
※妻ではなくて娘との説もある。
※竜神を見ることができるのは赤堀家の人々だけ、他の人には見えない。
○赤堀道元の娘
赤堀道元の娘が「赤城山へ行きたい」と言い出し、小沼のふちまで来ると沼の中へ身を投げ「私は小沼の主です」と言い残し大蛇となり沼に消えてしまった。
これを悲しんだ道元は、小沼の土手を切り崩し沼の水を抜こうとしたが、小沼は干上がることはなく・娘も見つからなかった。 その後も土手からの水は流れ続け、川となり今の粕川となった。(大昔は大雨の時だけ流れ・普段はカラだったので、カラッ川とよばれていた) このとき娘は16才だったので「十六歳の娘は赤城山に登るな」と言われるようになった。
○赤堀道元の娘については、いろいろな話が伝えられている。
◇娘は「自分が沼に入れば、探すために沼を掘り割るだろう」と考え、自ら沼に入った。
◇娘は美人のため殿様から懸想されたので、沼に入って死んだことにした。
◇赤城の大蛇が田原藤太秀郷にムカデ退治を頼み、蛇は娘に変わり秀郷と結婚し・生まれた子が道元の娘となった。
◇道元の娘は赤城の神に願をかけて生まれたので。脇の下に鱗があり大蛇の申し子だった。
※十六歳
女人禁制(結界)の名残ではないかともいわれている。 さほど険しい山ではないためみんなが登拝したので、「これではマズイ・せめて十六歳だけでも禁止」。
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