東京国立博物館・法隆寺宝物館
☆考えるポーズとして当時流行したといわれるが、実際にやってみると不安定で考え事ができる状態ではない。
☆半伽思惟像
右手の指先を頬にそえ、右足を左膝にのせて何かを考える姿の菩薩像を、菩薩半跏像あるいは半跏惟像と呼んでいる。
日本では飛鳥文化期の作例もあるが、7世紀後半から8世紀はじめ頃の白鳳文化が栄えた時代にとくに流行した。
この姿の像はインドや中国では釈迦の出家前の姿である悉達太子や、観音菩薩であることが多い。 日本では666年作の大阪、野中寺の像が、台座に書か れた文章から弥勤菩薩として作られたことがわかっており、日本における信仰のあ りかたを知るうえでのヒントを与えてくれる。
☆異国風の像
法隆寺献納宝物には異国的な雰囲気の像がみられる。 7世紀後半から8世紀はじめ頃の白鳳文化期に登場した新しい仏像のスタイルである。
このうち唇が厚く、顎の張った幅の広い顔が特徴的な一群(N163、N164、N172、N186、N187)は、顔つきだけでなく太い鉄心を用いた作り方なども共通しており、同じグループの作と考えられる。
このほかにも、イアリングをつけユニークな像(N178)、着物の裾をたくし上げる像(N189)、眉が連続したような独特の風貌の像(N169)などには、インド的な雰囲気が現れている。
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