深井家長屋門
○深井家長屋門
さいたま市緑区上野田
江戸時代、弘化元年(1844年)。
長屋門、寄棟造、茅葺、桁行21.2m・梁間5.465m。
「立隠れ」有り。 足立郡南部領上野田村の幕府直轄領名主家の表門。
深井家長屋門は、江戸時代上野田村のうち幕府直轄領(天領)分の名主役を勤めた家の門です。 この辺りはかつて野田のサギが繁殖した場所であり、また赤山渋の生産地でもありました。 この門は「長屋門」と呼ばれる形式のもので、桁行21.2m・梁間5.465mと大きく、中央の通路部分は4.74mあり、「立ち隠れ」と呼ばれる門構えを設け・その左右には土間を設けています。 土間は一部を仕切ってありますが、作業を行いやすいよう、吹き放ちにするなど機能性が工夫されています。 また棟木にくくり付けられていた棟札から、弘化元年大工棟梁政次郎・小工市郎によって建てられたことが分かっています。 このように規模も大きく、建築年代も明らかであることから、近世農村の名主屋敷の一端を知る資料として、市の有形文化財に指定されています。
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