高虫氷川神社
氷川神社は、東京都・埼玉県に多く、元荒川を東の限界とし、西は多摩川を限界とした区域にのみ多い神社です(その他の地方では、神奈川県・千葉県・北海道に1社、茨城県・栃木県に2社あります)そしてその多くは、埼玉県大宮市にある大宮の氷川神社の分霊を移し祀ったといわれています。
祭神は、須佐之男命・稲田姫命・大己貴命の三神です。 須佐之男命は、出雲国簸の川上で八岐大蛇を退治し、稲田姫命を妻と迎えました。 また、新羅に渡り日本に植林法を伝えた神さまです。 暴風雨神としての神格は、水や雷の信仰に裏付けられた農耕に関連しています。 雷雨は転じて、田を稔らせる神、田に必要な神として農事に祀られています。 このように多面的な神格のなかに、農耕守護神としての性格もあります。 その御子孫には多くの田の神・水の神がおられ、八坂神社・熊野神社・津島神社など各地で農神・疫神・英雄神として信仰があります。 櫛稲田姫は、出雲の簸の川上流で、八岐大蛇のいけにえになるところを須佐之男命に助けられ、須佐之男命の妻となりました。 クシナダヒメの語意は、『神道辞典』に「クシは霊妙、したがってクシナダは、不思議に豊かに実る田」と記されております。 その名の通り農耕神と結びつくようです。 大己貴命は、出雲神話の主神で、大国主神です。 素盞嗚尊の六世の孫・御子ともいわれて、多くの活躍をした神です。 国土開発・経営・農業、畜産・医療・禁圧、または、健康祈願の神・福徳の神など非常に多くの功績がある神です。
高虫の氷川神社は権現造りです。 権現造りは、日本の神社建築様式の1つで、本殿と拝殿の2棟を一体化し、間に「石の間」と呼ばれる一段低い建物を設けているのが特徴です。 また、本殿に施された妻飾・斗拱・装飾彫刻等は、江戸時代後期の神社建築様式をよく残しています。
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