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群馬での暮らし:六合村湯本家

Kunimura12《グンマを話そう》
 湯本家は鎌倉時代から続く村医者でした。 ある日、日影村への往診の帰り道、夜も更け井出橋にさしかかったところ乗っていた馬が何かにおびえて動かなくなりました。 「カッパにちがいない!」と見当をつけて振り下ろした刀が、カッパの手を切り落としました。
 夜も更けたころ、「トントン、お医者様、お頼み申します」と誰かが訪ねてきました。 そう、カッパです。 「もう悪いことはいたしません。 どうぞ手を返してください。」とカッパが泣きながら言うのを見て、医者はふびんに思い持ち帰ったカッパの手を吻合してやりました。 カッパはとても喜んで、お礼に万病が治る薬「命宝散」の作り方を教えてくれました。 

※命宝散(えーす・あいす)は河童より伝授されたとされ、外用薬である。
※七年に一度カッパが戻ってくるという伝えもある。
※「カッパがもげた手をつなぐのを見た馬方が骨つぎ師になった」バージョンもある。

横線540透明

Kapp99利根川図志、安政2年

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