群馬での暮らし:きぬがさ姫
《グンマを話そう》
○きぬがさ姫(おきぬさま)
ある昔「きぬがさ姫」というかわいい娘がいました。 母親が病気で亡くなった後、継母はその美しさをねたんでいました。
○ある日、姫を馬小屋に閉じ込めました。 姫は、背中を馬にけられて痛くて泣きました。 すると、じいやが泣き声を聞いて助けてくれました。(これが、シジの休みの日です)
○次に、遠くの山のタカが住んでいる竹やぶに捨てました。 そうすると、タカが姫を連れ帰りました。(それがタケの休みの日です)
○今度は、裏の川に連れて行き船に乗せて流しました。 すると船頭が助けて連れ帰りました。(これがフナの休みの日です)
○とうとう、庭に穴を掘って埋めてしまいました。(これがニワの休みの日です)
悲しんだ父は、その土の上にクワの木を植えて、「生まれ変われたら、このクワの葉っぱくって、生きながらえろ。」と言い聞かせました。 何日かすると、クワの木の根もとからちっちゃい虫がいっぱい出てきました。 そしてだんだん大きくなり繭を作りました。 さらに何日かすると、まい(繭)の中からガが出てきました。 その顔は、目がばっちりしてい「きぬがさ姫」にとってもよく似ていました。 蚕の背中の模様は、姫が馬小屋で蹴られた跡だそうです。
※カイコは、大きくなるまでに四回脱皮します。 順番に、シジ(一眠)・タケ(二眠)・フナ(三眠)・ニワ(四眠)と呼びます。 眠というのは、皮を脱ぐときはものを食べずに眠っているからです。
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