神話伝説 (2)
○ヨミの国
イザナミノ命は、最後に火の神カグツチを生み死んだ。 その間際、吐瀉物から金属鉱山の女神と男神・糞から肥料の女神と男神・尿から水の女神・食物生成の神などを生んだ。 イザナギノ命は猛り立ち十拳の剣でカグツチの首を切る落とすと、飛び散った血から岩石の神々・雷火の神々・山岳の神々・雨竜の神々・渓谷の神々・などたくさんの神々が現れ、死体からもさまざまな山の神々が生まれた。
イザナミの遺体は出雲国と伯伎国の境に葬られ、イザナギの流す涙から泣沢の女神が生まれた。 イザナギは会いたくなりヨミの国へ行きそこで見たものは、蛆がたかり崩れ・体中に雷神が座り・変わり果てたイザナミの姿だった。 恐れをなしたイザナギが逃げようとすると、怒ったイザナミはヨミ国の鬼女に命じイザナギを追いかけさせた。 追いかけられたイザナギが、髪飾りの鬘を投げつけるとブドウの実になり・投げつけた櫛の歯から筍が生えた。 次には八柱の雷神が追いかけてきたが、桃の実を投げつけ退散させた。 最後にイザナミが死の女王に化して追い迫ってきたので、ヨミ国との境(ヨモツヒラ坂)を千引岩で塞ぎ、ヨミ国より逃れ出た。 これで、イザナミとイザナギの夫婦関係は破綻した。
※カグツチは「輝く土」、火山の神といわれる。
※ヨミ国から帰るのが「よみ返り」。
※千疋岩は、「塞坐黄泉戸大神」となり・後には「石神」の起源になった。
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