神話伝説 (4)
○天の岩戸
突然荒れ狂いだしたスサノオは、アマテラスが作った田の畔をこわし・溝を埋め・御殿に糞を撒き、乱暴狼藉をつくした。 長い顎髭を胸まで垂らしたスサノオが泣きわめくたびに、山々の草木は枯れ・川や海も干上がり・あらゆる災いが起きた。 さらに、神聖な機織場に、皮を剥いた斑駒を天上から落とし入れたために、驚いた織女がホトを突いて死んだ。 ついに怒ったアマテラスは天の岩戸にこもってしまった。
闇となった天上では神々が集まり、長鳴鳥を鳴かせ・鏡を木にかけ・アメノウズメノ命が裸舞踊を踊り・大騒ぎをしたので、高天原は揺れ動き・八百万の神々がともに咲った。 その様子をいぶかって岩戸を細めに開いたアマテラス「どうして神々は楽しげに笑っているのだ?」と、そこでアメノウズメがそっと鏡をだして「あなたさまよりもっと尊い神がいらっしゃるゆえ、喜びさわいでいるのでございます」と答えた。 すると、自分の姿とは気づかず身を乗りだしたところを、岩戸入口のかげに立っていたタジカラオノ命が引き出した。
その後、天の岩戸入口は「しめ縄」が張られ立入禁止、 スサノオ命は手足の爪と髭を切られ・天上から追放された。
※鏡を作ったのはアマツマラ神ともいわれる。
★江戸時代の見世物に「岩戸開き」がある。
コメント