旧伊勢屋質店
○旧伊勢屋質店・文京区本郷5-9-4
樋口一葉が菊坂の家に住んでいたときから、生活が苦しくなるたびに通った質屋。 下谷区竜泉町に移ってからも通った。 一葉が亡くなったときの香典帳に、伊勢屋から香典が届けられたことが記されている。 伊勢屋は1860年の創立であった。
○旧伊勢屋質店座敷棟
明治/1890
木造平屋建、瓦葺、建築面積25㎡
土蔵の背面側に建ち,見世と接続している。 八畳の座敷を中心に東南二方に縁を廻し、さらに南側には中庭を設ける。 狭小な敷地の中で二方を中庭と庭に開いて眺望を確保するなど町屋に設けられる座敷の特徴を余すことなく備えている。
○旧伊勢屋質店土蔵・学校法人跡見学園
明治/1868-1911/1887移築
土蔵造2階建、瓦葺、建築面積22㎡
見世と並んで街路に面して建つ土蔵。 売渡証から,明治二十年に現在の足立区鹿浜より移築されたことがわかる。 内部は総二階で一室とする。 明治時代の本郷菊坂の景観を今日に伝えるとともに、近隣に住んでいた樋口一葉の日記に度々現れることでも知られている。
○旧伊勢屋質店見世・学校法人跡見学園
明治/1907
木造2階建、瓦葺、建築面積63㎡
文京区本郷菊坂に面して建つ。 棟札より明治四十年四月の上棟であることが知られ、施主・大工名(平野千代吉)も判明している。 街路と平行して建ち、出桁造・開口部に格子を設ける意匠、階高の高い二階部など、明治時代の町屋の姿をよく表している。
☆樋口一葉に、半井桃水が汁粉をつくりご馳走したらしい。
☆伊勢屋
江戸で伊勢屋はケチの代名詞、伊勢出身の商人が多かった。 「ちきり伊勢屋」が典型的例。
☆本郷七不思議
菊坂に菊はない。
団子坂に団子はない、菊はある、蕎麦もある。
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