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枚方 メモ

Yodogawa_hachiman淀川八幡山勝景

Yodogawa_hachiman

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Hirakata6河内牧方男山

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Hirakata7河内牧方

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Hirakata_mannenji牧方萬年寺

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Hirakata0牧方驛

☆鍵屋・鍵屋浦
 明和年間に鍵屋源七が船宿を開業、淀川水運の船着場三矢村浜の宿であり、参勤交代往還の本陣でもあった。
 大阪夏の陣で徳川勢が忍岡に陣を置いた際・三箇牧村柱本の茶船が高槻城から兵糧米を搬送した功績に対し、徳川家康が淀川往来客船相手に食物を売る特権を与えたのが「くらわんか舟」。

☆枚方御茶屋御殿
 豊臣秀吉が、萬年寺山突端断崖の上に御茶屋御殿を建て、桃山大阪往復の途次風景を賞した。 萬年寺山上には意加美神社。

※元和年間頃に徳川幕府により東海道五十六番目の宿と定められた。
※江戸時代は牧方

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☆岸和田のむかし話・軽業師と山伏と医者(地獄八景亡者戯)

 岸和田は欄干橋の高橋という医者と、むかし南町にあった高間寺の山伏、それに、大阪の寅吉という軽業師の3人は大の仲良しでしたが、ある年の流行り病で3人そろってぽっくり死んで、地獄は閻魔大王の前へ引き出されました。取り調べの結果、3人ともに生前あまりいいことをしていない、とわかり、「鬼ども、こやつ等を針の山へ追い上げよ!」 ところが、大阪の寅吉はさすがに日本一の軽業師。医者と山伏肩に乗せ、針の先から針の先、ひょいひょい跳ねて飛び越えて、3人揃って澄まし顔。
 次なる責め苦は釜ゆでの刑。ぐらぐらたぎる熱湯も、山伏得意の呪いで、温泉もどきのいいお湯かげん。釜の中の3人は、「ああ、いいお湯や。たまらんわあ」「地獄も案外ええとこや」
 あきれかえった鬼たちの報告聞いて、がんがんに怒った大王が、逃げる3人つかまえて、ぺろりぺろりと呑み込んだ・・・
 「わあ、閻魔の胃液で溶かされるう」「うんこにされてしまうがなあ」「なあに、心配せんでええ。わしの薬を一口飲めば、便秘でうんこも出えへんわい」 3人寄れば、閻魔さんなどこわくない。跳んだり、はねたり、踊ったり、閻魔の腹で大騒ぎ。

 大王、うんうん苦しんで、とうとう3人吐き出した。「お前等みたいな奴等の顔は、もうもう2度と見たくない。とっとと何処ぞへ行ってまえぇ!」 医者と山伏、軽業師、それぞれお葬式の最中に息吹き返したということです。

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☆岸和田のむかし話・星になった未弥 (天の川) 

 むかぁしー 布引いたみたいな白い雲浮いてる神於の山からチヌの海まで、ずうっと広がる和泉の野っ原は、すっくり荒れ野やってなぁ、あっちこっちの雑木林にゃぁキジ鳴いて、笹っ原にゃぁキツネやシカも走ってたんやし。
 この辺りに広い田畑作ろうちゅうて、里の者は一日じゅう鍬ふるうてた。木の株起こしたり、石や土運んだり、いつ終わるやらわからへん、ほんまにえらい仕事の明け暮れやったんやてぇ。

 かげろうの燃えてる野っ原で、泥だらけになって働く人らの中で、そらぁきりょうのええむすめがおった。未弥いうて開墾の指図してる里長のひとりむすめや。未弥の仕事ちゅうたら、大きな釜に白湯沸かして、みんなの苦労をねぎらうことやった。毎日、薪割り、柴刈り、ちょっとの間ぁもかまどの火ぃ消さんようにせんならん。煙にむせて、顔も手ぇもすすだらけや。それでも、 「未弥の湯ぅは、ほんまにうまいわ」 「生き返った心地や、おおきに」 みんなの悦ぶ顔がうれしゅうて、未弥は毎日いっしょうけんめい働いてた。けど、だんだん開墾が進むと、雑木林は姿を消すし、思うたようには柴も手に入らへん。
 ある日、未弥は負籠背おうて岡山まで足のばした。ここらはまだ森も林もむかしのままで、枯れ枝やら柴ならなんぼでも取れた。雑木林を抜けたとたん、未弥は、はっと立ちすくんだ。 「ソーリャ!ソーリャ!」力の入った掛け声がする。見たら、赤土の丘のふもとに、目もとのすっきりした若い者がひとり。大きな黒牛に綱引かせ、一心に木の株起こしてるんやし。人も牛も力いっぱい気ばってるけど、大地に根ぇおろした大株はぴくりとも動けへん。未弥は、なんや切のうて黙って見てられへんかった。思わず駈け寄って株に手ぇかけ、いっしょうけんめい引っ張った。

 「あー」 若者はびっくりして未弥を見つめた。
 「手伝うくれるんか。すまんなぁ、もう一息なんや。たのむわなぁ。」 ガキッー ようやっと株掘り起こしたとたん、ふたりともどすんと尻もちついてしもた。男は、ふうふういいもって、未弥の肩たたいた。
 「俺は美登呂、お前は?」
 「未弥」
 「お前、柴取りにきたんか。今度は俺が手伝ちゃるわな」 鎌もって立ち木の枝切り落とし、見てる間ぁに山ほどの柴積み上げた。
 「ほな、行こか。お前村までおくっちゃろ」

 柴の山を振り分けにして牛の背に積むと、未弥をその上に座らせて歩き出した。 道々、美登呂は笛吹いた。まあ、なんちゅうええ音色やろ。笛の音は男のやさしい言葉になって未弥の胸にしみとおった。牛の背に揺られ揺られてる間ぁに、いつか未弥の里やった。

 次の日、未弥がまた岡山へ行ったら美登呂は丘のふもとで待ってた。金色の陽が若者の頬を染めた。
 「畑うつのん手伝わして」
 「よっしゃ。後でまた柴集めちゃるわな」 ふたりは西日が海へ傾くまで働いた後、丘の草むらで一息ついた。
 「初物の瓜や、食うてみ。うまいでぇ」
 「おおきに。半分こにしょ」 未弥が瓜切ろうとすると、
 「そんなん切ったらあかん」 あわてて美登呂が止めた。
「横に切り。縦に切ったら水の種が裂けて大水が出る。里の田畑ぁみんな水浸しになってしまうんや。お前かて溺れて死んでまうぞ」
 「ほんま?」 未弥は思わず笑たけど、言われたように横に切り、半分ずつ食べた。とろけるように甘かった。
「この瓜、里の者がだれでも食えるようにせんならん。それが俺の仕事なんや。畑耕し、種蒔いて、百も千も実ぃとって・・・・・・」
 「えらいなあ、がんばってぇ」 別れる前、未弥は記念に瓜の種を一個袖ん中にとっといた。
 それからちゅうもの、未弥と美登呂は毎日みたいに会うた。はじめのうちは、お互い仕事の分け合いもし、助け合いもしてたけど、逢瀬の短さ嘆くようになると、もう仕事は手につかなんだ。日がな一日ただ見つめ合い、手ぇとりおうて遊び暮らした。長い夏も終わりに近づくと、ススキの野辺にアカネがいっぱい群れ飛んだ。

 ある晩遅っそに、未弥は、流れ寄る笛の調べに胸つかれて目ぇ開けた。
 「美登呂・・・・・・」 いつになく哀しげな音色やった。未弥は激しく胸騒ぎして暗い夜道を走った。 丘のふもとにひとかたまりの雲がわいてる。その雲の上に黒牛連れた美登呂が立っちゃあった。
 「美登呂」
 「未弥」 たった一言呼び合う間ぁもなく、雲は天高う上りだした。美土 の姿は見る見る小っちゃくなって、笛の音だけが微かに空から聞こえてくるだけや。
 「未弥よ。俺は天帝の子。天の川に棲む牛飼いの星や。 新しい土地拓く里の者を助けぇと遣わされてきた。 美しいお前を知って、思わず我が身の役目を忘れ、天帝の怒りをこうて天へもどされた。
 けれど、新しい土地に瓜千個、みごと実らせたら、天帝の怒りが解けるかもしれん。お前の手で一町歩の畑拓いて千足の草鞋埋め、その上に瓜の種を蒔いてくれ。つるが伸び、天に向かうのを見たら、羽衣身にまとうて昇ってきておくれ。 その日まで、俺の犬にお前を守らせよう。 七日、七日に笛吹いて、お前と語ろう。その晩は、きっとここへ来て天を見ておくれ。 七日、七日に。七日、七日に・・・・・・」
 間もなく笛の音は消えた。未弥は、うつろな目で空を見上げた。 ―来年の七月七日には、また逢える。七月七日には・・・・・・―
 天の声はあまりに遠く、あわれにも未弥は聞き違えた。七日、七日に語り合おうと美登呂がいうたのを、七月七日に、と・・・・・・一年にたった一度の逢瀬と思い込んでしもたんや。それでも未弥はうれしかった。 ふと気ぃつくと、未弥の手はいつの間にやら一袋の瓜の種としろがね色の糸束をにぎっちゃあった。

 帰る道々、どっからともなく子牛ほどの白犬が現れて未弥の後からついてきた。 未弥は、父の里長にたのんで、丘のふもとに小っちゃい機屋たててもろた。そこにひとり寝起きして、昼間は慣れぬ手ぇで鍬ふるい、日ぃ暮れたら、休む間ぁもなく機に向かって羽衣織った。忠実な白犬は片時も傍離れんと未弥を守った。

 冬になった。神於の山のモミジも色あせ、葛城の山が雪かぶった。身ぃ切るよな寒風に吹かれて、未弥は指から血ぃ流し、一日も休まんと機織った。 もうひとつ、せんならんことがあった。草鞋や。千足と言やぁちょっとやそっとでは集まるもんやない。足りん分は機織りの合間に藁打って、自分で作った。一足作るたびに、それだけ未登呂に近づける、そんな思いに辛さ忘れた。戸の外では天の笛がしきりに呼んでるのも知らず、ただ一心に縄なった。
 「七月七日、七月七日に未登呂と逢える…」 長い長い冬が過ぎ、やっと拓いた一町歩の畑。千足の草鞋を一足また一足、ていねいに埋めた。一粒、一粒、心をこめて種蒔いた。
 やがて五月雨が降ると瓜の実は芽ぇ出し、葉も広がった。つるは伸びて、白い花さいた。小っこい実もいっぱいになった。
 「もうじき七月七日、はよ羽衣織りあげて未登呂のとこへ…」 しかし、未弥は知らなんだ。春一番の大嵐が吹き荒れた晩、子持ちのキツネが草鞋片っぽ掘り出して、巣穴の中へくわえ込んだことを…

 天の川がゆうらりと夜空流れる季節になった。七月七日の夜やった。瓜のつるが天に向かってぐんぐん伸びた。先っぽはもう天に届いたよに見えた。未弥は軽い羽衣を身にまとい、素足のままで畑に立った。
 「ああ、一個足れへん」 まあ、なんちゅうこっちゃろ、瓜の実はなんぼ数えても千個に一個足らんのや。千個なかったら神さんの許しは受けられへん。
 ―どないしょう、どないしょう― 夜が明けた。一つ、また一つ、星が消えた。 未弥は、思い切って瓜のつるを登りはじめた。白犬も後に続いた。けど、つるはやっぱり天に届かなんだ。あと、瓜一つ、草鞋一足ぶん伸びんかったんや。 未弥のすぐ目の前に天のお宮の門があった。シロが激しく吠えたてた。

 「未登呂、未登呂!」 血い吐くように、声ふりしぼって呼んだけど、天の扉はひっそりとただ静まってるだけや。 陽は、高う高うのぼり、瓜のつるはもう縮みはじめてた。天のお宮は見る見る遠くなってしもた。
 夏が終わり、もう天の川も見えんようになったけど、未弥は日ぃ暮れるたびに空見上げた。なんぼ耳すましても未登呂の吹く笛は聞こえず、はぐれ星がたまに流れちゃあ消えるだけや。ひとつ、ふたつ、またひとつ。 きゅうに白犬が狂たように吠え出した。未弥の着てる物くわえて引っ張った。 「どないしたん?シロ」 その時、何やらまあるいもんが袖から地べたにこぼれ落ちた。星明りにちかっと光ったのをよう見ると、瓜の種やった。未登呂と瓜分け合うて食べた後、袖に入れて忘れちゃあった種や。
 「そや、もう一ぺん、これ蒔いて・・・・・・」 未弥は頬輝かした。
 冬じゅう、未弥は草鞋探して何度も何度も遠くの村まで足のばした。小屋にこもって藁うった。縄なう手の血まめがつぶれ、できた草鞋も赤なった。 遅い春待ちかねて、畑耕し、血だらけの手で種蒔いた。 ―はよ大っきくなってよ。 今度こそ天のお宮に届くほどつる伸ばして、うちを連れてってぇ、未登呂のとこへ・・・・・・―

 和泉の国いうたら、あんまり雨の降らんとこやけど、この年はひどいもんやった。 田植えすました頃からのかんかん照りに、川も池も干上がってしもた。 未弥の畑もからからで、瓜の葉ぁも黄ばみ、つるもよう伸びんと、今にも枯れそうやった。 未弥は一日に三度も五度も神於の山まで行き帰りして、岩場の湧き水竹筒に汲んで、畑の瓜に水やった。 そないにして、やっと一個の瓜がなった。けど、七月七日の晩になっても、つるはやっぱり伸びへんかった。 ―もうあかん。うちは天へ上られへん―
 未弥は泣きもって実ぃもいだ。シロを連れて丘に登った。 頭の真上、瀬音聞こえるかと思うほど近く、天の川が流れてる。
 「未登呂」 未弥は未登呂に話しかけた。
 「今年とれたん、これ一個だけやってん。また一緒に食べよ、半分わけして。」 ―大水やでぇ、縦に切ったら。お前かて溺れて死んでまうぞ―
 どつかれたように未弥は立ち上がった。 ―水がでたら・・・・・・ 田ぁも畑も生き返る、里の人ら悦ぶやろ。 うちは・・・・・・うちは、どうなったかてかめへん。 切ろうっ、この瓜、縦に切ろ!― 未弥は震える指で瓜割った。
 「ああ・・・・・・」 その裂けた瓜から、どどっと水が噴き出した。後から後からきりもなく、ふくれた水は川となって、狂た馬みたいに和泉の野を駆け下った。 そのとき、未弥は、懐かしい笛の音を聞いた。川の面に星一つ。強く光った。牛飼いの星、未登呂の星や。
 「ああ、未登呂!」 未弥は、いとしい人の名を呼びながら、激しい流れに身ぃ呑まれた。

 天かき曇って、降りだした雨の中に、哀しいシロの鳴声が長く長く尾を引いた。 天帝は未弥をあわれみ、天に上げて七夕星にした。シロもまた名ぁもない星になった。やっと許してもろた牛飼い星と七夕星は、天の川の両岸に別れて住んで、カササギが橋架ける七月七日、年に一度のはかない逢瀬に命を燃やすんやし。
 
今でも、冴えた夏の夜空を見上げる人々の耳に、未弥を呼ぶ未登呂の美しい笛の音が遠く流れてくるんやてぇ。

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