《グンマを話そう》
○利根村:竜宮の椀
吹割の滝の底は竜宮に続いていると言われていました。 ある昔、利根村追貝の若者が嫁をもらうことになりましたが、貧しくて客用の膳と椀がありません。 そこで竜宮にお願いしようと、滝の上手から手紙を流しました。 翌日滝へ行くと、お願いした膳と椀が岩の上に置いてありました。 嫁迎えを無事すませた若者は、膳と椀をきれいに洗って返しました。 やがてこの話が広がり、多くの村人が膳や椀を借りることが出来ました。
ただ、ある村人が返し忘れたことがありました、そのとき以来滝から何も出てこなくなりました。(群馬には、「お願いすると椀が沼などから出てくる」という伝説が数多くあります)
《グンマを話そう》
○六合村にはグンマから独立した方言があります。
あなた→こんた、 いしけり→けだし、 かくれんぼ→かくねっこ・おにさんこ、 かたぐるま→てんぐるま、 かまきり→とーろー・はえとり・かまぎっちょ・かまよん、 くるぶし→くるみ、 しゃがむ→つくじょむ・しょごむ・しょごじょむ・しょごずむ、 たけうま→たかあし・たかうま、 つむじ→まきめ・まきまーし・まきむし、 とかげ→かまちょろ・かなへび・とかよん・とかちゃん・かまぎっちょ、 なめくじ→なめら・なめらっくじ・なめよん、 ぬかみそ→なめみそ・ふすまみそ・ししょーみそ、 ひたす→ほとばす、 ふくろう→ほろすけ・ほーほーどり、 ふやける→ほとびる、 めんこ→ぶっつけ・ぱっちん、 らっかせい→からまめ、…
群馬では、[ものもらい(麦粒腫)]のことを「めっぱ・めかご・めかいご」などと言います。治し方は地域により異なり、
○めっぱを井戸に半分見せ、治るようにお願いする。
○井戸の中へ笊を半分覗かせ、治ったら全部見せると言ってお願いする。
などいろいろです。 「ざるをかぶるとメッパになる」、言い伝えもあります。
※アクセントは語尾が上がります「メッパ↑」。
※地域によっては水嚢。
《グンマを話そう》
○草津の湯
建久四年八月三日、源頼朝は三原野で狩りをした後草津へとやってきました。 その三日月の夜、一面のアシの中から立ち昇る白い煙をみつけました。 かまでアシを刈り分けて進むと、それは、ゆけむりがたつ温泉でした。 頼朝は大喜びで旅の疲れをとりました。 これが、「御座の湯」です。 また、そばにあった大きな石に腰を下ろして休んだので「御座の石」と呼ばれました。
そこで頼朝は「まだ他にも湯口かあるだろう」と探すと、岩の間から滝のように流れ出しいてる「滝の湯」と、やわらかですべすべしている「綿の湯」を見つけました。 頼朝は、お供の細野御殿介にこの温泉をしっかり管理するように命じ「湯本」と名づけました。 こうして、アシの葉・かま・三日月を組み合わせた「湯本家の紋」ができました。
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